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第38話:【豆知識】金利が上がったら、不動産投資ローンはどうすればいい?

金利上昇は「じわじわ来る」リスク

日銀はすでにゼロ金利政策を解除し、政策金利の引き上げを段階的に進めてきました。2026年6月には政策金利が1.0%まで引き上げられ、約31年ぶりの高水準となっています。これに連動して、変動金利・固定金利ともにじわじわと上昇してきました。不動産投資をしている人にとって、これは無視できない変化です。

金利上昇は「これから起きるかもしれない話」ではなく、すでに進行している現実です。ただ、正直なところ「すぐに破綻する」ほどの急激な変化ではありません。問題は、じわじわと返済額が増えていくという、見えにくいリスクにあります。

変動金利ローンに何が起きるか

不動産投資ローンを変動金利で組んでいる人も多く、金利上昇の影響を受けやすい状況にあります。変動金利は返済額や元金の減り方に影響が出ます。固定金利は、既存の全期間固定であれば返済額は基本的に変わりませんが、新規借入・借り換え・固定期間終了後の条件には影響します。

たとえば、残債5,000万円・金利1.5%・残期間25年のローンが金利2.5%になった場合を考えてみましょう。

元利均等返済の場合、住宅ローンでは「5年ルール」(5年間は毎月の返済額が変わらない)や「125%ルール」(見直し時も返済額の増加は1.25倍まで)により、返済額がすぐには変わらない商品もあります。ただし、不動産投資ローンではこれらのルールが必ず適用されるとは限らず、ネット銀行など一部の商品にはそもそも無いこともあるため、契約書や金融機関への確認が必要です。いずれにせよ、金利上昇分は利息に充当されるため、元金の減りが遅くなる点は共通しています。

元金均等返済の場合は金利上昇が即座に返済額に反映されるため、毎月の負担は増えますが、残債は着実に減っていきます。

では、どう対応するか

① キャッシュフローを定期的に点検する

まず基本は「現状把握」です。金利が0.5%・1%上がった場合のシミュレーションを、物件ごとに試算しておくことをお勧めします。「なんとなく回っている」では、変化に気づくのが遅れます。

② 繰上返済で残債を減らす

余剰資金がある場合、繰上返済は有効な選択肢のひとつです。残債を減らすことで、金利が上がっても利息負担の増加を抑えられます。

ただし、手元の流動性(すぐ使えるお金)を削りすぎると、空室や修繕が重なったときに対応できなくなります。生活費・修繕費の数ヶ月分は手元に残しつつ、余剰分を充てるのが基本的な考え方です。

③ キャッシュフローがマイナスになりそうな物件は売却も選択肢に

金利上昇によって毎月のキャッシュフロー(家賃収入から返済額・経費を引いた手残り)が赤字に転落しそうな物件は、売却して現金化するという判断もあります。

「持ち続けること」が正解とは限りません。売却によって得たキャッシュを繰上返済や優良物件への再投資に回すことで、ポートフォリオ全体の健全性を高めることができます。

売り時の見極めには、残債・売却相場・税コスト(譲渡所得税)を合わせて確認することが重要です。とくに譲渡所得税は所有期間で大きく変わります。物件の所有期間が**5年以下(短期譲渡)だと税率は約39%、5年超(長期譲渡)だと約20%**と倍近い差があるため、「あと少しで5年超になる」物件は、売却タイミングを慎重に見極める価値があります(所有期間は譲渡した年の1月1日時点で判定)。

④ 他の金融機関への借り換えを検討する

金利上昇局面では、より条件の良い金融機関への借り換えも有効な選択肢です。現在の金利・残債・残期間を整理したうえで、複数の金融機関に条件を打診してみましょう。

借り換えには諸費用(抵当権の抹消・設定費用、手数料など)がかかるため、費用を回収できるかどうかのシミュレーションが必要です。一般的な目安として、金利差1%以上・残債1,000万円以上・残期間10年以上がそろうと借り換えメリットが出やすいと言われています。長期保有予定の物件から優先的に検討するのが現実的です。

なお、投資用ローンは住宅ローンに比べて借り換え自体のハードルが高く、諸費用も大きくなりがちです。住宅ローンの目安をそのまま当てはめず、必ず実額で試算してください。

⑤ 新規購入は慎重に

金利が高い環境での新規購入は、収益が出にくくなります。利回りが高く見える物件でも、金利コストを差し引いた「実質リターン」で判断することが欠かせません。

私自身の考え方

私は現在、変動金利・元金均等返済で複数のローンを抱えています。元金均等返済は毎月の返済額が多い分、残債の減りが早い。金利上昇局面では、これが一定のバッファーになっていると感じています。

実際、ここ数年で2本のローンを繰上返済で完済しました。返済が終わった物件はキャッシュフローが一気に改善するため、次の繰上返済や投資の原資にもなります。

また、余剰資金はインデックス投資と繰上返済の両方に分けて動かしており、「全額投資」でも「全額返済」でもなく、バランスを見ながら対応するスタンスです。

金利上昇は確かにリスクですが、事前に把握して動いていれば、致命的にはならないというのが実感です。「知らなかった」が一番怖い。

まとめ

チェックポイント 対応策
返済額・元金の変化 金利+1%シミュレーションを実施
余剰資金の使い道 繰上返済と投資のバランスを検討
キャッシュフローの悪化 売却・現金化も選択肢に入れる
借り換え 複数の金融機関に条件を打診
新規購入 実質リターンで慎重判断

金利が上がっても、慌てて動く必要はありません。大切なのは、変化に気づける仕組みを持っておくことです。


※本記事は情報提供を目的としたものであり、個別の投資判断・税務判断を保証するものではありません。実際の借入・売却・税務にあたっては、金融機関・税理士等の専門家にご相談ください。

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